参加者：10人(久しぶりMcさん参加)  　

中高年：青年＝6：4　地域：それ以外＝5：5

メニュー：恒例＆Iさん・UYさんHappy Birthday

　　　春のチラシ寿司(鰻)＆手羽元の甘辛煮

「近現代日本150年の労働者・民衆の闘いの歴史」第59回

第四章　日中戦争から敗戦(1937年～1945年)～昭和天皇の戦争

新「草稿」(３)　アジア太平洋戦争(前半)　第六回

第三節　戦局転換‐「大東亜共栄圏」思想と朝鮮独立闘争

①   　「大東亜共栄圏」思想とアジア主義(第一回)　レポーターしょうごさん　

(「草稿」90-107頁)

　今回は、開戦からたった半年で敗戦へ向かうことになったミッドウエー敗戦など戦局転換の模様と、だからこそ、侵略戦争の「大儀」として一層キャンペーンが貼られた「大東亜共栄圏」の「思想」の生成を辿る第一回。

　アジア解放を謳う「大東亜共栄圏」は、プロパガンダ(政治的宣伝)であり、「アジア主義」という「文明」「文化」論に彩られた古色蒼然とした巨大な幻想である。

　しかし、それは明治維新以来の侵略思想の到達点であり、「それを育んだ社会構造と意識は、現代日本でも払拭されていない」という指摘もある。

　たしかに、国内では、1990年代以降、アベを象徴として「アジア侵略などなかった」という歴史修正の動きが強まる一方、ウクライナ戦争、パレスチナ虐殺が続き、中国をめぐってアメリカ、日本、イギリス、フランス、ドイツが「覇権」を競おうとしている。

　近代国民国家の究極の姿である「総力戦体制国家」が生き続けている。

「思想」の検討は容易ではないが、今までのプチ労の議論をふり返るとともに、その体制を変革しようとした日本のマルクス主義陣営の問題にも触れながら検証を試みることにした。

　その際のキーワードを「文明」対「文化」そして「国民」対「民衆」として、国家を「越」える民衆の思想はどういうものか、あらためて探ってみたい。

　まず、レポーターは、地図やポスターを使ったパワーポイントで、餓死・病死を中心とした戦死者を大量に生む転換点となった戦争と、「これだけ読めば戦犯になる」文書である兵士必読『部外秘：これだけ読めば戦は勝てる』など紹介しながら「大東亜共栄圏」「思想」をリアルにレポート。

　そして、「思想」検討の第一回として、その起点である「明治時代」の「文明」の最大・最良のイデオローグ福沢諭吉の『脱亜論』の原文と位置づけをめぐる論争も紹介してくれた。

　その結果、検証第一回のいい議論ができたと思う。

Talk

Reporter　YS：たしかに、福沢の『脱亜論』は侵略思想の原点のようにいわれるが(「草稿」98頁)、彼の本来の意図は、政治的な侵略ではなく、とにかく、儒教思想を中国、朝鮮が脱すべきということだった。

GO：しかし、その割には、プチ労版「中国民衆の抗日闘争」でやったように、魯迅などをはじめとして儒教思想から抜けようとする中国革命の実践を、後の幸徳秋水や大杉栄もそうだが(「草稿」107頁)、評価しようとしなかった。

YS：それでも、福沢は権力におもねず、『学問のすすめ』のように、人種、男女に関わらず教育の専ら力を入れた。

I：でも、福沢は相当の女性差別だったようだ。

R YS：たしかに、男女の教育と言っても、福沢は「農村の女性は万でもしようがない」と言っている。

GO：そういう意味でも、福沢は、男の権利でしかなかったフランスの「人権宣言」やアメリカの「独立宣言」の西欧「文明」の最良の解説者だったんだ。

　それだけ、当時、西欧「文明」は輝いていた。

　ペリー来航などで西欧「文明」への劣等感から出発し、それを脱却するために朝鮮・中国に対して優越感を持とうとした日本の権力が、福沢を利用した。

R YS：それが、その後、石川啄木が書いた『時代閉塞の現状』のように、西欧「文明」、資本主義の「金だけ」に閉塞感が出て来る。(「草稿」102頁)

　啄木の書いた情景は今と同じだ。

GO：西欧「文明」のマネだったものが、そういう閉塞感のなかで、アジアのためにという「アジア主義」とか、天皇を持ち出して、西欧「文明」に対抗しようというものが出て来る。

N：当時、「大東亜共栄圏」ということで、みんなが一丸として持っていかれたわけだが、これはどういうことなんだろう？

Mg：『部外秘：これだけ読めば戦は勝てる』にも出て来る「八紘一宇」(人種・民族・宗教の差別なく世界のみんなが一つの家に平和に暮らす理想)は、今の多様性が大事という「多様性ブーム」と通じるところがある。

　国連のSDGsもそうだが、「進歩」ということだけで、何か隠されている気がする。

J：新自由主義のなかで、イギリスでは、保守党政権が「多様性」を強調して、閣僚にもいろんな人種が揃えられているが、経済の不平等は蓋されている。

GO：「女性問題」を調べると、最近では、「ネオ・リベラル・フェミニズム」という擬装フェミニズムが跋扈していると言われている。

　多様性には寛容だが、経済不平等は放置され、日本では、女性差別の根幹である天皇制・家族制度・婚姻制度は死守される。

N：「八紘一宇」という言葉そのものを使っているのも、自民党の女性たち(高市・三原・杉田)が多い。

Mg：地元立石の隣の四ツ木は「リトル・エチオピア」といわれるが、そこをめぐっては、やたらに「文化」の違う部分が強調される。

「ネタ」として消費されている。

I：面白おかしく。

GO：経済同友会代表のよくしゃべる奴は、LGBTQのデモには参加しても、入管法反対のデモには参加しない。

R YS：金になる「きれいな人権」と、そうではない「きたない人権」という見方がある。

　渋谷区は、LGBTQには一見「寛容」だが、生活困窮者にはそうではない。

YY：今、阿部サダヲのドラマ「不適切にもほどがある！」が流行っているが、自分の職場、児童養護施設の現場でも、「多様性、人権の尊重」が強調されて、こどもたちとほんとうに向き合うことの妨げになっていることもある。

R YS：ところで、宮崎市には、「天孫降臨の地」だからか、「八紘一宇」の巨大な石碑がある。

　GHQの指示で、名称は「平和の塔」に改名されたが、大きく掘られた「八紘一宇」の文字はそのままで、1964年には、東京オリンピックの出発点になった。

一同：えー、知らなかった！！

ろじはん＃10まとめ　　　2024.2.17

全原発の即時停止を！原発と核のない社会へ、3.11福島で声をあげよう

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　参加者８名

能登地震が　また私たちに原発の恐怖をまさによみがえらせた。あの福島以来この日本は何も学んでいないし、私たちは頑張ってはいるものの，原発をなくすことはできていない。

そこで今回はNAZEN事務局長の織田陽介さんに　原発と核戦争について語ってもらった。要点をついてすべてを網羅したわかりやすい話に、途中たくさんの意見や質問が飛び交い、なぜ政府がこの地震の多い国で原発を推進続けるのか？　止めるための核心はなんなのか？をそれぞれかなり納得することができた会になった。

●能登震災　志賀原発　柏崎刈羽原発

　M7.6。「１０００～２０００年に一度」の活断層。

　とてつもない地方切り捨ての現実。新幹線延伸、旅行割が優先で住宅の耐震工事が後回しに。

　志賀原発　外部電源が一部喪失（復旧に半年と報道）燃料プールの冷却水漏れ。「水位計に有意な変動はみられなかった。」　実際には1～3ｍの津波が複数回到達。変圧器の配管破損で1万９８００ℓのオイル漏れ、スロッシング（容器の中の液体が共振して揺れ揺れが大きくなる現象）、海に漏れ出す。外部電源がさらに停止。

　志賀原発は北陸電力が規制委員会に「活断層ではない」と認めさせ再稼働に動いていた。

　柏崎刈羽原発　変圧器配管損傷・オイル漏れ。使用済み核燃料プールの水漏れ。セキュリティ問題（ＩＤカードを持っていない人に他の人が貸して中に入っていた。誰でもはいれる原発）で規制委から「核燃料の移動禁止」処分（つまり再稼働できない）を受けたが、解除され、再稼働に動く。

両原発は停止中。エネルギーは1000分の1、動いていたら福島原発事故と同様になっていた可能性が高い。今も電源を喪失すれば大事故になる、危機は現在進行中。

避難道路の破断。モニタリングポストは半島北部測定できず。

・耐震問題　今回はこの問題が重要。

　通常の住宅は3000～5000ガルの耐震。原発は490→600→1000

志賀町は２８２８ガルを観測。想定以上の震度を観測したが、自治体への報告も公表もされなかった。地震に全く弱い原発（耐震の強い原発はない）明らか。

・改めて、原発から避難できない。

　道路が寸断されて逃げられない。津波から逃げなくてはならない事態で屋内退避？自宅がつぶれた場合は？避難計画では5㎞圏内の住民を避難させるため

10㎞圏内の住民は屋内退避。避難弱者、重度の障害や入院患者などが切り捨てられる。（実際に福島で双葉病院置き去り事件が起きた。４５名死亡）

K/自分の夫は大熊町の近く出身。大熊町から1000メートル離れているということで保証もなく、除染もしてもらえない。親戚は子供を含めて暮らしがあるため今もそこに住んでいる。関西に逃げた人も多いが、原発で被ばくするとどのくらいで死ぬんでしょうか？

N/人によって閾値がちがい、少しでも病気になる人もいれば、大丈夫な人もいる。問題は、がんになっても、被ばくによるものだと証明できないこと。

今福島で、子供の時に被ばくして甲状腺がんになった人が３00人以上いる。その中の７人が自分たちはなぜ甲状腺がんになったのか？はっきりさせたいと裁判を起こしている。

I/福島では、お金をもらったらもらったで、関係が険悪になったりすると聞いた。

N/沖縄もそうだが、必ず住民同士がいがみあうように分断するよね。

S/それにしても　なんでひろゆきとかホリエモンは原発に賛成なのか？

Y/ひろゆきはとにかく注目されたいだけなんじゃないかな

O/ホリエモンはいわゆる後発の資本家なんではないかと思います。

●核使用が現実のものとなろうとしている

・核を撃ち合う戦争が進行

ウクライナ戦争の開始　ザポリージャ原発攻撃、ウラン弾（核のゴミで作る）投入（イギリスから搬入）パレスチナ　民族浄化を目的とした大虐殺。人獣討伐、核使用も選択肢―皆殺し　ラファ１２０万人への空爆

・核武装へと舵切る日本政府

ミサイル配備―EABO（機動展開前線基地作戦）ミサイルを打ったところがすぐ特定され攻撃されるので、ミサイルを打ったらすぐに移動する。そこにいる住民は犠牲に。

ニュークリアシェアリング（アメリカと核を共有）

G7広島サミット「広島ビジョン」西側の核保有を肯定した。

防衛産業強化法　武器を作る企業を国有化

GX推進法、GX脱炭素電源法　原子力産業強化　60年超の原発運転　核燃サイクル推進　原子力の推進は「国の責務」

地方自治体の改悪案で地方自治の最終的解体　沖縄の代執行を閣議決定で可能に。現在６００自治体が拒否している自衛隊への住民名簿提出拒否もできなくなる。

I/つまり　こんなに地震が多い日本で　原発をやめないのは核を持っていたいからなんですね。

K/でも　核を持ってないと攻められるのでは？

I/その時は、もう地球の破滅ですよ。

S/麻布十番の地下を核シェルターにという話は出てますよね。

O/そうですね。JRは有事に使える駅だけを残そうとしています。

●核燃サイクルは核と原発のアキレス腱

・核燃サイクルとは、「使用済み燃料の中から、ウランやプルトニウムといった燃料として再利用可能な物質を取り出し（再処理）この取り出した物質を混ぜ合わせて「MOX燃料」と呼ばれる燃料に加工してもう一度発電に利用する取り組み」

・もんじゅの廃炉決定　決定したが廃炉の仕方がわからない。

・六ケ所再処理工場26回目の完工延期　完成しない

・核原発の使用済み燃料はいっぱい。再稼働できない状況。中間貯蔵施設で時間稼ぎを狙う。柏崎刈羽の使用済み燃料を青森・むつ中間貯蔵施設に搬入する計画が今年中に出る。原発が一年で作る死の灰を一日で排出。1％放射能が漏れると青森県民の半数が死亡する。

つまり　青森が焦点　青森をゴミ捨て場にして集中しようとしているがこれを阻止すれば　再稼働できない！

最終処分の方法は？フィンランド「20万年後の世界」地下深く埋めたとして20万年後の人に危険をどう伝えることができるのか？

・プルサーマル計画　ウラン燃料原子炉でプルトニウム燃料を燃やすフルMOX原発として世界一危ない大間原発を建設中。使用済みMOX燃料の再処理工場はいまだにできていない。

・実験炉段階の高速炉「常陽」を規制委が審査合格させた。技術的ポテンシャルを保持するため。原子炉（原発）は発電のために作られたのではない。

どんなに破綻してもしがみつくのは核武装という当初の目的があるため。

●被ばくと健康被害

ICRPは７７年勧告で致命的ながんより１．５倍多い「非致命的がん」（皮膚がんや甲状腺がん）を無視。

「黒い雨」訴訟の勝利　放射性粒子一個で内部被ばくするだけで、可能性としては、身体に原爆の放射能の影響を受ける事情が出現する（判決）

内部被ばくを認めた。

●社会を変えよう！福島とともに

核と原発の関係、結局切り捨てられるのは、私たち。やられてたまるか！やはり黙ってないで闘うしかない、しかも闘いは最終段階に入っている。ということが　身に染みて頭に入る話でした。この会のメンバー、およびプチ労の仲間から６名が３．１１福島行動に参加表明しています。

「情勢は、最も根本的でラジカルなものが大衆性を持つ時代に。」by織田さん