＜2021-8-29プチ労125まとめ＞

参加者：7人　中高年：青年＝3：4　地域：それ以外＝4：3

メニュー：新作！ガンボ・ライス＆焼ポテト

ガンボは、オクラ(アフリカ原産・別名ガンボ。黒人奴隷貿易とともにアメリカへ)とチキン・トマトのスパイシー煮込み―アメリカルイジアナ(ニューオリンズ)のケイジャン(アメリカに移植したフランス人)料理。好評完食につき、プチ労定番メニューに採用♪

「近現代日本150年の労働者・民衆の闘いの歴史」第35回

新章：第四章　日中戦争から敗戦(1937年～1945年)～昭和天皇の戦争

(１)1937年　日中戦争～昭和天皇の「勇気」　　

第二節　日中戦争－アジア太平洋戦争の原因

a.       天皇制というシステムの戦争と抵抗　

⑤：農村図書館の浪江虔と「京浜労働者グループ」(前半)レポーターGO

「草稿」60頁～88頁

前回、近衛文麿、昭和天皇裕仁たち「天皇制システム」が日中戦争を泥沼化させ、民衆の抵抗を恐れて「人民戦線事件」として、「著名な」反戦勢力を一網打尽にしたことを見た。

　しかし、その後、戦時下で、より具体的な「人民戦線」の実践、「たみとともに」抵抗を続けた「名もなき青年たち」がいた。

　「草稿」筆者が、「浪江虔」を初めて知ったのも、2年前、Mgくんの立石再開発反対運動に関連したセミナーで、いわゆる「歴史教科書」にはでてこない青年たちである。

　概要は以下のとおりだが、沢山の青年たちの「青春群像」を描こうとして「草稿」は数十ページになった。

そのために、うまく説明できたかはわからないので、添付した年表も参考にして、あらためて、是非「草稿」をご一読願いたい。

namiekennennpyou202108.pdf へのリンク 

Report（概要）

　学生から農民運動に入ったが挫折した浪江(旧姓板谷)虔は、人民戦線事件を経てアジア太平洋戦争が始まる前に、東京南多摩地区に全国で初めての農村図書館をつくった。

治安維持法の弾圧のもとでも、彼は、助産師になった妻とともに、農村図書館を多くの図書館のように戦時下の「思想善導(国家体制の思想を注入する思想統制政策)」の装置とせず、農民が自分で学び考えられる場にしようとした。

敗戦後は、治安維持法下での「転向の闇」を乗り越えて、農村図書館の構想を広げた農民自身による「部落文庫」から「地域文庫運動」の発展に尽力する。

それは、公共図書館設立運動に発展し、住民の自治意識の砦として、いわゆる「革新自治体」を生み出す運動につながる。

同時に、この時期、虔らに関連する多くの青年たちが、京浜地区で軍需産業の中心である重化学大企業工場の労働運動の現場で「人民戦線」の実践と抵抗を模索し、仲間の輪を広げ続けていた。

その模索と仲間の輪は、「京浜労働者グループ事件(第一期：上海東亜同文書院一派、第二期：福島磐城炭鉱争議首謀者山代吉宗一派)」という治安維持法による検挙で断ち切られる。

しかし、これらの青年たちも、「転向」せずに獄死した仲間の想いを引き継いで、敗戦後「革命期」の労働運動、農民運動を担い、その後の反戦運動、原水禁運動以前の原爆被爆者運動を立ち上げる。

今回は、前半として、その敗戦前の部分。

後半、敗戦後の部分は、次回９月26日プチ労126回、レポーターむぎたさん。

Talk

UY：「第二期京浜労働者グループ：吉宗一派」の吉宗さんの妻の山代巴さんが、今でも韓国で同じという劣悪な労働環境の旭硝子工場で、「星座の本」をみんなでつくって回し読むところから、女工たちの仲間の輪を広げたということだが、農民のために同様の童話などたくさんつくった宮沢賢治の場合は、「教える」という上から目線というか、孤立していた気がする。

GO：青年たちの想いや工夫の焦点も、戦時下でかつ搾取され、ひどい目にあっても「カタツムリ」のように閉じて黙っている人たちがどう「綻び」て、一緒に闘う仲間になっていくかだった。

N：治安維持法で検挙されて、「ヒットラーは偉大だ」とまで妻への私信に書いて「転向」した浪江虔に対して、山代巴は「仲間を売らないことが第一」として苦労して「偽装転向証明書」を書き上げたという。

　虔には「守るべき仲間」がいなくて孤独だったのか。

　現代でも、アベが「現代の治安維持法」といわれる共謀罪を強行成立させたほかに、アジア太平洋戦争直前に、治安維持法で「転向」しても期限なく拘留し続けるためにつくられた「予防拘禁法」と同じものを池田小学校事件を契機にコイズミが精神病者に対してつくった(2002年「心神喪失者等医療観察法」)。

　今でも、仲間をつくり、守ることが問われている。

AS：精神病者も期限なく拘留できるんですか？

N：当局の勝手な裁量でYES！

After comment

N：みんなからの拍手でわかったようにさすが草稿の筆者だけあって、練られたレポートだった。

戦争が開始されようとするこの時期に共産党が壊滅されんとするこの時期に、人々とともに立ち上がろうとした若者たちがいたことが生き生きと語られたと思う。次回それが敗戦後どう引き継がれていったか、が楽しみになった。　　　　　　　　　　　　　　　　　以上