・みなさんご存知の2013.9アベの「コントロール」発言。大ウソ。でもなぜなのか?それは前年2012年8月ロンドン五輪帰国パレードが象徴的。50万人集まった。それをその前月国会前に大飯原発再稼動反対で20万人集まった高揚にぶつけた。2016年にはリオ五輪帰国パレード80万人。推進側はもっと多くの動員を期待したようだが。その間に、都知事は何人も代わり(代わりすぎ)、開催費用は、7300億円から1兆3500億に、さらに1兆8千億にもなる可能性。そして、森友問題とも同じなのに、あまり報道されないが、晴海の選手村用地はすごく安くゼネコンに売却されている。なりふりかまわずの実相。
・日本とオリンピックの関係としては、昨年末、JOCが発表した報告では、「日本の五輪はつねに復興がテーマ。1940年は返上したが関東大震災からの復興(!)。1964年は戦争からの復興。2020年は福島事故からの復興」としているが、実態は「復興妨害五輪」だ。新国立建設では、23歳の現場監督が200時間超の残業で自殺した。渋谷駅では鉄骨が落下。オリンピックは「災害」だ。さらにいえば、ロンドンでもリオでも地対空ミサイルを配備して開催。「非常事態を自ら招致」しているわけだ。
*日本では共謀罪。韓国ではサード配備。
・オリンピックは「危機」を正面突破するもの。国威発揚に懸命。来年2018年には、「明治維新150年」「天皇代替り」「改憲」「新生日本」とてんこもりに用意している。私も招致前から五輪反対運動をしているが、予想を超える動きだ。オリンピック前に改憲してしまおう!ということだ。
*鵜飼さんの「2018年」に抜けているのは労働の問題。その後の発言で、動労千葉田中委員長が、「数日前の日経新聞の特集“450万人の衝撃”。2018年は、労働契約法で言う“非正規5年目で無期雇用転換の期限”。記事は、その対象が450万人だが、そのうち半分は賃金も何も変わらないまま転換される“衝撃”を報道している。改憲の根っこでアベが労働者を黙らすためにすすめることを絶対阻止しなければならない」と強烈にアピールし、20回目を迎える11月日比谷の全国労働者総決起集会の後半1/3を「改憲阻止1万人大行進(民衆総決起集会)」に切り替えることを宣言。
・電車の中吊りなどで見かけた方もいるかもだが、AC公共広告機構の流しているコピーは「1964年がライバル」。「あの時代の希望、豊かさをとり戻そう、超えよう」吐き気のするコピー。リサイクル・キャピタリズムだ。私としては、「(今のアベたちの)ライバルは1936年(ナチスのベルリン五輪)」だと思う。聖火リレーはナチスが始めた(知らなかった!)。ナチスのその後の侵略地域を通るリレー。侵略の準備を終えた。日本では、聖火リレーは、1964年は沖縄からだったし、今回は宮城か沖縄から出発といっている。
・オリンピックは「巨大な運動会」。「スポーツで楽しみ」と言う人は多いし、反対運動はいろいろ工夫を要する。東京都は「多様性」ということを強調し、パラリンピックを重点にしようとしている。障害者運動の体制内化だ。
*よく知らなかったがパラリンピックの始まりも戦争。パラリンピックの起源は、1948年7月28日、ロンドンオリンピック開会式と同日に、イギリスのストーク・マンデビル病院で行われたストーク・マンデビル競技大会。これは、戦争で負傷した兵士たちのリハビリとして始められたもの。8月17日東京新聞1面では、それも踏まえて「1939年日中戦争下、軍が傷病兵体育大会」と報道。
・また、セレブレーション・キャピタリズムともいえる。「お祭り、お祭り」と言って、非常事態にする。だから共謀罪だ。そして、公的資本は民間へ。大会のセキュリティ関連を請け負うのはイスラエルの会社だ。
・「スポーツ」「お祭り」で、こどもたちには「35時間のオリンピック教育」が強制されているなかで、反対運動はそこもみすえて慎重にすすめなければならないが、こうしたオリンピックに正面から反対することなしに改憲阻止はありえない。
*松元ヒロさんは、例年以上に、人類の歴史も駆使しながら、自らの「憲法くん」が絵本になったことを引き合いに笑いを獲り続けながらも、「最近、あの長崎の城台さんが言われていたように、もう、“憲法を守る”ではなく、“憲法で闘う”です」これは、集会の核心のひと言ともいうべくズーンとささった。
*鵜飼さんのいう「慎重さ」や「工夫」にもからんで、全学連の斉藤委員長は「自分も含めて、20代、30代にとって、人権も守れない憲法はネガティヴ。神話です」と言いながら、ヒロさんの言葉を引いて「そこを見据えて、憲法でたたかっていきたい」
*そして、「労働者の民主主義」を勝ち取るべく、その闘いの動力については、韓国民主労総公務員労組のチミンス支部長や動労水戸の照沼くんの発言にならんで、長年国会傍聴を続ける平和遺族会代表の西川さんが「改めて問う―戦争は国会からはじまる」とした基調報告をするなかで、「国会が今までで一番ひどいなかで、労働組合だ」と二度にわたって言及されたのが印象的。
*最後のまとめは、森川弁護士が「われわれのライバルは、明治維新150年ではなく、1917年ロシア革命。それを引き寄せること」と締めくくり。