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8月31日(木)~9月2日(土) 
 夏休みの自由研究:秩父困民党讃歌たみとや版「東京に一番近かった革命本部」

「夏休みの自由研究」
先輩に教えられ、薦められた秩父困民党跡めぐり一人旅に行ったまとめ動画です。パリコミューンから13年、ロシア革命より33年前、「近現代日本で唯一の組織された民衆の武装蜂起」

秩父困民党讃歌たみとや版「東京に一番近かった革命本部」8分




以下は動画のシナリオ
秩父困民党讃歌@たみとや版「東京に一番近かった革命本部」 2017年9月
(音楽「L’Internationale」「1994年首都に進撃した時のサパティスタの歌」)

133年前、1884年11月1日、秩父の困民が武装蜂起。
大宮郷(現秩父市)にコミューン(無政の郷)を樹立した。

当時、生糸は日本最大の輸出産業。彼らはその生産労働者だった。

1881年から最大の輸出先フランスを始めとする欧州が経済恐慌。絹織物の生産は半減。

明治政府は、そのあおりをまともに受けた秩父困民を救済するどころか、
西南戦争の軍事費のつけで松方大蔵大臣の緊縮財政。

地租を増税。生糸取引に印紙税創設。義務教育のための学校費も困民の負担。

年に倍になる高利貸に「身代」をとられる困民が秩父一円で700戸に及び、自殺者も続出。

当時の「自由民権運動」に共鳴した若き困民自由党員が、
在地の「親分」も動かし、山林集会を繰り返し、困民党結成の中心。

政府の弾圧で、蜂起2日前に解党を決めた自由党中央は蜂起を止めた。
しかし、在地の生糸商の一部有力自由党員も加わり、1万人が蜂起に合流。

明治政府は「絶対に秩父から出すな」と恐れ、山形有朋が先頭に立った。
初めて軍隊を動員し、政府軍兵士死者を「戦死」と称した。

その困民党蜂起は、明治政府が盛んに貶めようとした「単なる農民暴動」ではない。

彼らは、「高利貸を交渉の上、焼き討ちしても、類焼はさせない」などモラル高い「軍律」を本部解体まで規律高く維持。

礼金を支払った炊き出しの「白米のおにぎり」に涙するほど一粒も米は無い。
だから、空の鍋釜を持ったデモをした。しかし、一顧だにしない権力。

それに対して、「専制政府転覆、世直し、世ならし」と声をあげ、村々の権力を奪取し、
「天下の貧富を平均ならしむ」ことを目指して、郡役所に「革命本部」を掲げた。

同時に「自由自治元年」ののぼり旗を立てた。

1871年パリコミューンから13年。

困民党蜂起はパリコミューンと規模も期間も違って、首都占拠でもない。

そして、権力のための「電信」による連絡と「陸軍最新式村田銃」による弾圧。
困民党は、意図した「電信切断」も間に合わず、火縄銃と竹槍の装備。

呼応する社会主義勢力も労働運動も不明確。

「東京まで行くのか」、「これ以上仲間が死なせないのか」方針の分裂。

わずか、3日で「困民党コミューン」は潰えた。

しかし、困民党蜂起は、フランスの資本主義恐慌と連動。
同じ困民として立ち上がったパリの労働者と商工業者と通じる。

そして、近現代日本で唯一の組織された民衆の武装蜂起。労働運動の先駆け。

「学校費の負担が不当。学校の3年間休校」も求めた秩父困民たち。村中で徴兵逃れも祝った。

困民党蜂起が潰えて以降、
日本は、1894年日清戦争、1910年、教育勅語による学校教育の就学率100%の国へ。

秩父困民党無名戦士の墓
「われら 秩父困民党 暴徒と呼ばれ 暴動といわれることを 拒否しない」

「秩父“ぼうと”進撃路」マップ 「秩父ではもはや“ぼうと”は“暴徒”ではない」

秩父困民の団結の源―手作りロケット祭り「龍勢(りゅうせい)まつり」 
困民党結集地点 椋神社で続く祭り
400年前から続き現在も27の流派がある
龍勢の弾筒が困民党の大砲だった

困民党に栄光あれ!!!

参考:井出孫六「秩父困民党」、戸井昌造「秩父事件を歩く1~3」、A・コルベジェ「秩父事件とパリコミューン」、井上幸治「秩父事件」、野口正士「石碑が語る秩父事件130年」、羽田信禰連作版画集「峠の叫び―秩父事件の風土と群像」、石間交流学習館展示とビデオ、龍勢会館展示とビデオ、プチ労ブックレットNo.4「ロシア革命史」

 
8月27日(日) 
 たみとや新企画「反原発プチしゃべり場」第一回
プチ労85回目「賃労働と資本」第八回

たみとや新企画「反原発プチしゃべり場」第一回
8月27日たみとや土間で外向けに「反原発ソング」流しながら開催。
以下、M太くんのまとめ。

第一回「反原発プチしゃべり場」手探りながらも無事終了することができました!「うるさいかも?」と言っていた外向け反原発ソングが気にならないぐらい議論は盛り上がり、ある程度面識のある8名だったこともありますが、初回としてはかなり話し込めたかと思います。

...

●今回の大きなテーマは「フクシマに蓋をする2020年東京五輪」。始めにTさんから、たみとやジャーナルと8.15集会での鵜飼教授の講演を資料に、問題提起。年35時間の「五輪教育」・「レガシー」という言葉の乱発・ルールを変えてまで福島から聖火リレーを始めようとしてる話・前回東京五輪では303人の労働者が死んだこと(因みに開始直前までいたお客のご婦人が、1958年完成の東京タワーの工事では、事故死が多すぎて一度工事が中断したという話をしてくれました。)・五輪&パラリンピックの戦争との因縁・各国での招致撤退/返上の事例等々…
デンバーの撤退は、あるテレビコメンテーターがあちこちで発言し始めたことで火が付いたという話から、Nさん「久米宏など著名人に反対の発言をしてくれるようにどんどん要望しよう」。確かに、「今五輪反対とか、テレビで全然言う雰囲気じゃない(Yuさん)」中で、僕たちが「雰囲気」を作っていく必要があります。Yさんは長野のスキー場に行ったら「レガシーコース」があった話を紹介。耳障りのよい「レガシー」という言葉は、2000年にIOCが作ったもの。向こうには広告力という武器があります。過剰なメダル競争や五輪による「国威発揚」に関連して、Sさん「知的障害の人の『スペシャルオリンピックス』というのがあるが、メダルをかけてあげると皆喜ぶ」こういった人の自然な競争心や承認欲求みたいなものを、利用されているのかも。Mさんは、旦那さんに「五輪で儲かるのはゼネコンとセキュリティだけ」と言われたそうです。因みに前回五輪の借金は返済に30年かかっている。「五輪の経済効果」は嘘だらけ。Yさん「そういう理論的な部分を、しっかり伝えていかなければ」

●たみとやのお客では中高年は全員五輪反対。久米宏のラジオのリスナー投票でも、全体の83%が反対。でも10代以下は賛成が上回る。政権支持率も高い10代。Nzさんは五輪教育に加え、「校門に五輪の旗が飾られるなど、良いものとして刷り込まれている」と指摘。M太「ゆとり教育が終わり、『郷土愛・勤労奉仕・愛国心』という安倍教育を受けてきた高校生以下の世代と僕たちゆとり世代では、感覚に溝があるように感じる」意外と周りにいない10代の声をいかに取り入れていくかが、今後の課題になってきそうです!

●どのように伝える/動かして行くか?Sさん「心の奥では皆今の政治に反対している」「日本は災害などが多く、どうにもならないことは諦めるというのが遺伝子に染み付いてる」たしかに。そこを為政者に利用され、圧政を「どうにもならないこと」と思わされている。Mさん「個人的なショックな事件も時間が経って受け入れられるようになったが、諦めたのとは違う。向き合って真剣に考えることが大事」M太、今回来れなかったMoさんの話を紹介。「原発は誰の目にもアウトなのに止められないのは、人は(客観的な)理由だけでは動かないということ。一方空気だけで動いても弱い。自分の問題として自分の頭で考えられる=実存のある人を増やさないといけない」ではどうすれば「実存」のある人は増えるのか?身に危険が差し迫るまで動かない?Nさん「人は人でしか動かない。私たちが熱意を持って闘うことで周囲を動かしていくしかない」実際にずっとそれをやってきたNさんの意見なので、大変説得力がありました。Yさん「私たちは五輪について一度も賛否を問われていない。返上した他の都市のように住民投票ができないか」M太「世論の盛り上がりの結果として住民投票を勝ち取る感じ。その意味で、『実存』と同時に『空気』も必要かも」

●74%が「現在の生活に満足している」と答えた内閣府調査も話題に。M太「将来が今より良くなるという期待が持てないと、人は今が幸せだと思おうとする。希望を見せるためにも、1つ勝ちたい」Yuさん「皆ほどほど食べられてるから、旅行も行けるからいいかって思ってる」Nzさん「日常生活と政治が切り離されてきた。政治と無関係なものなんてないのに」Yさん「自分を消費者だと思うと充たされていると感じてしまう」Nさん「『消費者』にされてきた。働く側から考えたら変わってくるはず」

●この辺りで今回の議論は終了です。だいぶ時間オーバーしてしまいました。僕が今回のキーワードだと思うのは、「人は人でしか動かない」「実存も空気も両方必要」「消費者の視点から労働者の視点へ」こういった核心的なことが、それぞれの知見や日々の実感を出し合う中で生まれてきたことは、「しゃべり場」という場の可能性だと思います。生活する人の数だけ切り口はあると思うので、今後さらに直接・間接の参加者を増やして行きたいです。とりあえず、次回まで「吹き出し」と署名集め頑張りましょう。これも1つの「実存」を広げていく活動かもしれません。そして「空気」を動かす策としての、「著名人に手紙大作戦」も!

次回は「東京人」としての立ち位置も踏まえつつ、さらに議論を深め、また具体策を出して行けたらと思います。「労働者の民主主義」手探りで進めて行きましょう!参加者の皆さん、吹き出しを書いてくれた方々、ありがとうございました

2017年9月1日 M太

   
   
   
   
   
 

No-Nukes Songs for 8.27たみとや版プチしゃばり場

1.Human Error/Flying Dutchman
2.希望診療所/えびのから
3.ずっとウソだった/斉藤和義...
4.Summer Time Blues/キヨシロウ
5.Love Me Tender/キヨシロウ
6.東京五輪ありがとう/ジュリー
7.Carry Greenham Home/核ミサイルを止めた英国の女性達の歌
8.誰にも見えない、匂いもない2011/ランキンダブアイヌバンド
9.Sacrifice/Strange Factory
10.東電に入ろう(倒電に廃炉)/高田渡「自衛隊に入ろう」替歌
11.チェルノブイリ/ブルーハーツ
12.ダッ!ダッ!脱原発の歌/制服向上委員会
13.原発音頭/タイマーズ

8.27プチ労85回目
参加者7人(久しぶり参加1名) 中高年:青年=5:2 地域:それ以外=4:3
メニュー 清里高原有機無農薬野菜のチキンカリー(ズッキーニ・山中とうがらし入り)、じゃがいも・長ちゃんかぼちゃ・いんげんのザブジ

☆第五章「資本の増大と労働者階級への影響」前半 レポーターゆたかさん...
 第五章前半は「社会全体で資本はどう大きくなるのか?」。
「個々の資本家が分業と機械化をすすめ、それを資本家階級は模倣して、結局、最初の資本家の超過利潤はなくなる。
それを繰り返し、“絶えず進め、進めと耳打ちする法則”で資本は止まらなくなる」
いいかえれば、大きくなろうとする資本同士の競争は、結局、いつも「商品の価格を生産費、すなわち、より安く、同じ労働でより多く生産すること」に立ち戻らせ、ループのように資本家の首をしめる。

 詩の朗読を続けているレポーターは、この部分を朗読した。初の朗読!まず、これに感動!
マルクスの語りが沁みてきた。レポーターが一言で言った。「資本って雪ダルマみたいなもんだな。転がしていくと大きくなるが、止まると溶けちゃうので転がり続けるしかない」ウーン!まさにそうだ!

 レポーターは、「この部分、自分の仕事と照らしてよくわかった。マルクスが書いた百何十年前と今と変わらないね」と自分の新聞配達の仕事の話を詳細に語った。Yちゃんも学生時代にスクーターで奨学生で新聞配達していたということで、新聞配達労働と資本のリアルが見えた。

〇労働:どこまでも「熟練労働者」の労働強化
「朝刊配達は、地方では届くのが遅いので、朝4時から6時まで。東京は朝2時から6時まで。配布部数も多い。アルバイトでも月給制なので、東京の時間あたりは最低賃金を割り込んでいる。」
 タイムカードはあっても、勤怠管理だけで、給与に反映されない!
「前回も話したが、ベテランの熟練で6時までに配り終えている。めったに新人入れないが、この間入った新人は7時半までかかりやめた。カブ乗りこなすのにも3年かかる。」
「それから、新聞購読者は減っているが、チラシなら欲しいという人に“チラッシュ”というチラシ配りが始まった。新聞配達の合間で特に手当はない。」
ユーメイトのようにまだまだいろんな委託業務も導入されそう?
「新聞少年をはじめた1967年ころは、日曜も夕刊があって、公休がなかった。」

〇資本:そんなに儲かるのか!!
「ちょっと計算してみると、我々一人に月20万円支払うのに対して、一人当たりで所長は同じ20万円もうかる。」
一人毎月300戸配達×購読料月4千円=120万円。このうち大体45%が本社が取る原価らしいので、それを差し引くと月約70万円が販売店収入。ここから配達一人に20万円、営業費に30万円、残りが所長へ。4店舗持って10人は配達がいるので、所長は月200万円。
「所長は、親の代からで、本社に言われて、跡を継いで、新たな店舗も引き受けたらしい。この間までは、オフチョコ(めったにない色)のベンツに乗っていた。朝からチラシの折り込み一緒にやるとかいうことはないし、めったに販売店に現れない。店長になるには、店の“株”を500万円で買い取らなければならない。」
 「独占」の新聞本社が「競争」を管理!世襲の販売店。
「前近代的」というより、日本の資本にとってなんとも都合がよく維持すべきもの。世界に例を見ない日本の新聞の高購読率。それが大きな広告収入、それから“体制に批判的言論を取り締まる許可制”など戦前からの新聞の歴史とあいまって、「原発キャンペーン」「憲法改正」などの世論形成への影響力に繋がる。それらを支えるのが新聞販売店制度。
朝日新聞の営業だった友人が「毎月、販売店主の接待・接待で大変」と言っていた。
「いらない部数を押し付ける“押紙”はまだあるが、販売店にとって、広告収入がついてくるので採算は合う。」
 いらない新聞紙と広告の生産。

〇進む社会的分業
「たしかに購読者は減っていて、数年前に出た“こども新聞”は横書き。大変でも人を入れない、新人を入れて育てるとか何もしない所長を見ていると、何も考えてないというより、新聞の将来はないと思っているのかも。」
 販売店をベテランで維持しつつ、マルクスのいう社会的分業は、ネットで進んでいる。
「縦書きの国語の教科書も横にして読もうとするネットに慣れたこどもたち」というニュースもある。
そういう技術革新とその労働者の非正規化が進んでいる。

以上

   
   
   
 
8月23日(水) 
 夏休み明けこども塾@たみとや69回目
Tさん清里・固定種・完全無農薬野菜販売第五回もはや八百屋さん
 夏休み明けこども塾@たみとや69回目
国鉄闘争Nさん差し入れ北海道旬のメロン「皮まで食べたい!」
「こどもたちにせひ!」と北海道からメロンを送ってくれたNさんの闘いの原点、
”国鉄分割民営化に抗して「鉄道残して」と吹雪の北海道の駅前にお母さんとともに座り込んだこどもたちの姿”の話も少しして、先生たちもうなづいてました。
   
   
   
   
 Tさん清里・固定種・完全無農薬野菜販売第五回もはや八百屋さん
   
   



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