いよいよテキストの最後。
10月の前回が、台風直撃でプチ労始まって以来初めての中止。2回分?レポーターが準備して、初登場「エンゲルスの似顔絵イラスト」もまじえた手書きレジメでわかりやすく説明。
●賃金は労働の正当な対価じゃない!「なるほど!今と同じだ!」
エンゲルスは言う。
①アダムスミスなど古典経済学者は、商品の値段はどう決まるのか研究した。
②値段はいろいろ動くが、結局、商品の価値で決まる。
③じゃ、商品の価値は何で決まるか?
④人間の労働で商品はできるのだから、「商品の価値は労働だ」と古典経済学者は発見した。
⑤じゃあ、その労働の価値はなんだ? ここで彼らは袋小路に入った。
⑥「商品の値段はその生産費で決まるともいえるから、労働の価値は労働者の生活費かな?」
⑦21マルクの原材料や道具代かけてつくった商品が27マルク。差し引き6マルク。
⑧労働者は言う「労働でできた価値は6マルクなのに、俺の賃金は生活費で3マルクしかもらってない」
⑨残りの3マルクの「もうけ」はどこからきたのさ。商品の価値は労働なんだろ?
⑩「うーん」古典経済学者はまたまた藪のなかに入る。
⑪「人々がなぜこんなに貧しいのか」から考えていたマルクスはこれを突破した。
「労働者が資本家に売ったものは労働ではなくて労働する力なんだ」
⑫この「労働する力」を「労働力」とした。
⑬そもそも「これからする労働」は売れない。労働者が売れるのは「それをする力」。
⑭機械化が進んで同じ時間に2個商品がつくれると、労働がつくる価値は12マルク。
⑮しかし、賃金が同じ3マルクなら、残り9マルク、3倍の「もうけ」を資本家がとってしまう。
レポーターは、これらをたみとやの黒板に白墨で図解。その隣に新聞配達のUさんの場合も合わせて図解して、だから、「賃金は労働の対価ではなく、労働力という商品の価格。それも労働者が生活できるぎりぎりの。」と言った。そこで、Uさんが「なるほど!今と同じだ!」と上げた声が、今までの一年間を総括するようで印象的だった。
●エンゲルスは言う。「こんな社会は変えられる」
エンゲルスの「前書き」はいわば「まとめ」。
マルクスは「賃金は労働の正当な対価」という信じ込まされた通念を溶きほぐし、労働者の力を明らかにするために順々に説明を重ねてきた。
それを踏まえて、エンゲルスは「前書き」の最後に言う。
「ますます急速な発明や発見は、この前代未聞の程度で高まっていく人間労働の多様性は、ついには今日の資本主義経済がそのために滅亡せざるを得ない葛藤を生み出す。・・・それは取り除かれうる。・・・生活の手段、・・能力の発達や活動の手段も平等に、かつ、ますます自由にしうるような、一つの新たな社会秩序が可能である。」
●そして、マルクスの付言。「社会を変える労働組合の意義」
プチ労ではとりあげなかったが、本文の後の、「付録」の「第七節:労働組合」でマルクスは言う。
「労働組合は労働者間の競争をやめて団結させる目的をもつ」
あわせて、マルクスは「ブルジョア経済学者の組合反対論は正しい。」と言う。
それは、第5章などでやったように、
① 組合で団結して賃金が少しあがっても、資本はその競争のために、機械化や分業を進め、工場の移転などするために、労働者は失業などより大きな損失を被る。
② 組合の団結で仮に1国レベルで賃金が上がっても、その国の産業が他国に比べて停滞し、その資本と共倒れする。
しかし、その組合反対論は、「彼らの見地からのみ正しいのである。」
なぜなら、「もし労働組合における現実の問題が、賃金の決定だけであって、労働と資本の関係は永遠的なものだとすれば、これらの団結は必然的に成功しないで挫折するであろう。だが、労働組合は、労働者階級の結合の手段であり、階級対立を伴う旧来の全社会の転覆のための準備手段である。」
以上
(2)プチ労働者学校2018年新企画のご提案
1. 趣旨「近現代日本150年の労働者・民衆の闘いの歴史」
...
プチ労では、従来、マルクス「共産党宣言」、「プチ労版ロシア革命史」、レーニン「国家と革命」、マルクス「賃労働と資本」をやってきたが、そこで考えた「資本と労働」のことを活かしつつ、日本をやるのはどうか。
想定されるアベたちの「明治維新150年天皇制・改憲・戦争キャンペーン」に抗して、この「無関心」のなかで、どう戦争・改憲・原発・労働法改悪をとめるか。
そのために歴史から振り返る必要があるのでは?
その意味で、「近現代日本150年の労働者・民衆の闘いの歴史」を皆で創るのはどうか。
2. 方法
各回、パネラーを指定させてもらう。そういう通史はどこにもないので、とりあえず、りんたろうSHOBOが作成した「試作版:近現代日本150年の年表」と各回毎に作成する文章版をベースに最初7回各パネラーが概説。
その後、各自決めたテーマに応じた自由研究のレポート。
毎月のシネマ共謀で関連する重要参考映画を上映。
3. 試作版通史概略
「自分たちのことを自分たちできめるために闘い続ける日本の労働者・民衆の歴史」
a, 三つの参考時期区分(Ⅰ期3区分、Ⅱ期・Ⅲ期2区分ずつで合計7回)
Ⅰ期:明治維新~敗戦~戦後革命期(1868年~1954年)
(1)明治維新~1929年世界恐慌
(2)1930年~敗戦
(3)戦後革命期
Ⅱ期:55年体制期(ソ連解体まで。1955年~1991年)
(1)高度成長期~1975年恐慌
(2)1975年~1991年ソ連解体
Ⅲ期:新自由主義満開・崩壊期(1992年~2017年)
(1)1992年~2008年リーマンショック
(2)2009年~現在
b.八つの参考切り口
① 三つの時期と世界の資本主義
②「まねっここざるからアメリカコバンザメ」日本の国家と資本、
③「御身安泰」だけの支配装置―天皇、
④近現代日本の歴史は朝鮮に始まり今も朝鮮、
⑤戦争と「何も守らない」アンポ、
⑥資本主義の近代化の終点―核と原発、
⑦「闘いへの無関心」の原因、
⑧労働者・民衆の代表はいるか。
4. パネラー、レポーターのテーマのイメージ
(1) パネラー
通史概説7区分毎にお一人ずつ。1週間前位に打ち合わせさせてもらって、試作版の概説と感想・異論・反論をだしてもらう。
(2) レポーターのテーマ
パネラーで担当した時期に関わらず、概説で興味をもったこと、あるいは、概説に欠けている多くの分野や事象や事件のなかから選んだテーマでの自由研究。
5. スケジュール(パネラ-個人名略)
(1)概説7回 *印:シネマ共謀で重要参考作品上映(候補)
●アベ、1月召集通常国会(~6月)に改憲案&労働改悪法案提出。
1. 89回目 2018年2月25日(日)
Ⅰ期(1)明治維新~1929年世界大恐慌まで
*3月10日(土)シネマ共謀第八回「武器なき闘い」(山宣の生涯)
2. 90回目 3月25日(日)
Ⅰ期(2)1930年~敗戦まで
*4月14日(土)シネマ共謀第九回「この世界の片すみに」アニメ
3. 91回目 4月22日(日)
Ⅰ期(3)戦後革命期
*5月12日(土)シネマ共謀第十回未定?
4. 92回目 5月27日(日)
Ⅱ期(1)高度成長期~1975年恐慌まで
*6月9日(土)シネマ共謀第十一回「ドレイ工場」(全金日本ローム闘争)
5. 93回目 6月24日(日)
Ⅱ期(2)1975年~1991年ソ連解体まで
*7月14日(土)シネマ共謀第十二回マチネ?「チリの闘い:三部作」
6. 94回目 7月22日(日)
Ⅲ期(1)1992年~2008年リーマンショックまで
*8月11日(土)シネマ共謀第十三回「Capitalism」マイケルムーア
7. 95回目 8月26日(日)
Ⅲ期(2)2009年~現在
*9月8日(土)シネマ共謀第十四回「私はダニエルブレイク」ケンローチ?
(2) 自由研究
1. 96回目 9月23日(日) ●アベ総裁続投?
2. 97回目 10月28日(日)
●11.4労働者集会、同日秋篠宮眞子挙式
3. 98回目 11月25日(日)
●新元号決定?
4. 99回目 2019年1月27日(日)
5. 100回目 2月24日(日)
6. 101回目 3月24日(日)
7. 102回目 4月28日(日)
●新天皇即位?
以上